口唇ヘルペス

口唇ヘルペスとは?

どんな病気?

口唇ヘルペスは、唇やそのまわりに水ぶくれやただれを引き起こすウイルス感染症です。
主に「単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)」というウイルスが原因で、再発を繰り返すのが特徴です。

主な症状

  • 口唇(くちびる)のまわりがピリピリ・チクチク・むずむず(前兆)
  • 赤みや腫れが出現
  • 小さな水ぶくれ、ただれ
  • かさぶたになる

これらは通常7〜10日ほどでの経過で治りますが、免疫力が下がったときに再発を繰り返すことがあります。

感染経路

  • ウイルスを持っている人とのキスや食器の共有
  • タオルの共用など、皮膚や粘膜を通じた直接的な接触

初感染は気づかないうち感染する場合も多くあります。
ヘルペスウイルスは成人の約半分以上が感染しているとされます。

なぜくりかえし再発するの?

  • ヘルペスウイルスは一度感染すると体内(神経節)に潜伏します。
  • 日光、ストレス、疲労など『免疫力の低下』が起こると、ウイルスが急に増えて神経に沿って皮膚までやってきて水ぶくれを作ります。

治療

治療の基本は抗ウイルス薬です。症状が出たらできるだけ早く服用または外用を始めることで、症状を軽く・短くすることができます。

  • 内服薬:バラシクロビル(バルトレックス)、ファムシクロビル(ファムビル)
  • 外用薬:アシクロビル軟膏 など
※頻繁に再発する方で予兆がわかる方は、医師と相談の上、早期に予防的な内服治療【PIT療法】を行うことができます。

  • ~繰り返す口唇ヘルペスにお悩みの方へ〜
  • あれ?ヘルペス?と思ったら、すぐに始められる治療があります

PIT療法(予感時内服)

PIT療法とは?

PIT(Patient Initiated Therapy)療法とは、口唇ヘルペスが再発する「予兆(前ぶれ)」を患者さん自身が感じた段階で、すぐに抗ウイルス薬を内服する治療法です。

再発の前兆として、

  • 唇のピリピリ感
  • 軽いかゆみや違和感
  • 軽度の痛みや赤み
症状を感じた時点で、すぐに抗ウイルス薬を飲むことで、水ぶくれやただれの発症を防いだり、症状を軽く早く治すことができます。

PITを受けられる方

  • 再発を繰り返す口唇ヘルペスの方。
  • 初期症状(ピリピリ感、ムズムズ感、かゆみなど)を判断できる方。

PIT内服には2種類

ファムビル アメナリーフ
内服方法
  • 症状を感じてから6時間以内に内服
  • 1回4錠
  • 12時間空けて2回飲む
  • 症状を感じてから6時間以内に内服
  • 食後1回6錠で完了
費用
(薬剤費3割負担の方)

約700円

約2,000円
服薬の手軽さ

2回の内服が必要

1回の内服で完了する

PIT療法を受けたい場合は?

  1. 医療機関を受診して、あらかじめお薬を処方してもらう
  2. ピリピリ・チクチクなどの初期症状を感じる
  3. すぐにお薬を服用する。 お薬には、1回で服用を終えるものと、2回服用するものがあります。

3でお薬がなくなったら、ご自身のタイミングで医療機関を受診し、次の再発に備えて、お薬を処方してもらいます(→1へ)。
PITは、症状が出る前に受診できます。

まとめ

  • 症状が出ている時は?
    患部を触った手で他人に触れたり、食器やタオルを共用したりしないように注意しましょう。
  • 再発しやすい人は?十分な休養と睡眠をとり、ストレスを避けることが重要です。
  • くりかえすヘルペスでお悩みの方には、予防的な治療【PIT療法】が受けられます。

口唇ヘルペスが疑われる場合は、早めに医療機関(皮膚科)を受診し適切な診断と治療を受けましょう。