じんましん(蕁麻疹)について

~繰り返すかゆみや皮膚の腫れでお困りではありませんか?~

「突然、皮膚が赤くなって盛り上がる」
「強いかゆみが出るが、しばらくすると消える」
「毎日のようにじんましんが出て、夜もよく眠れない」
このような症状は、じんましんの可能性があります。

  • じんましんは、皮膚の一部が突然赤くなり、蚊に刺されたように盛り上がる膨疹(ぼうしん)が現れる病気です。多くの場合、強いかゆみを伴いますが、数十分から数時間で跡を残さず消えることが特徴です。
    一度治まっても、別の場所に繰り返し現れることがあります。
  • 症状が続くと、睡眠や仕事、家事などの日常生活に影響することもあります。
    繰り返すじんましんでお困りの方は、早めに皮膚科にご相談ください。

・じんましんの原因による分類
・じんましんはなぜ起こる?
・じんましんの種類
・じんましんの治療
【ゾレア】
【ラプシド】

じんましんの原因による分類

特発性(約72%)

原因不明のじんましんで、多くの慢性じんましんの方はこれに該当します。

物理性じんましん(約10%)

機械的にこすれたり、圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった物理的刺激によりおこる。

コリン性じんましん(約7%)

入浴や運動などで汗をかくと現れる蕁麻疹。小児から若い成人に多くチクチクとして痛みを訴えるのが特徴です。まれに発汗機能が低下している病気を合併していることがあります。

じんましんはなぜ起こるのでしょうか?

皮膚には、肥満細胞(マスト細胞)という免疫に関係する細胞があります。
この細胞が活性化すると、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。ヒスタミンが皮膚の血管や神経に作用すると、血管から水分が漏れ出して皮膚が盛り上がり、かゆみや赤みが生じます。
じんましんは、必ずしも食べ物やアレルギーが原因とは限りません。
特に、6週間以上にわたって繰り返す慢性じんましんでは、原因を特定できないことも少なくありません。

じんましんの主な種類

1.急性じんましん

  • 発症から6週間以内のじんましんです。
    感染症、薬剤、食物などが関係する場合がありますが、原因がはっきりしないこともあります。
    症状や経過に応じて、抗ヒスタミン薬による治療が第一選択約です。
  • 多くの場合、自然の経過でもよくなる方が多いです。

2.慢性じんましん

  • じんましんが6週間以上にわたって繰り返し現れる状態です。
    毎日のように症状が出る方もいれば、数日おきに症状が現れる方もいます。
  • 慢性じんましんでは、採血を行っても特定の原因を見つけられないことも多く、症状を抑えるために継続的な治療が必要になる場合があります。
  • 抗ヒスタミン薬2種類(または倍量投与)による十分な治療を受けていても症状が残る場合には、薬の種類や用量の見直しをします。
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これらの治療でもコントロールできない場合には
生物学的製剤(ゾレア)や新しい内服薬(ラプシド)などの追加治療を検討します。

3.刺激によって起こるじんましん

特定の刺激によって症状が誘発されるタイプもあります。
例えば、次のようなものがあります。

  • 皮膚をこすったり、圧迫したりすることで起こるもの
  • 運動や入浴などで体温が上昇したときに起こるもの
  • 寒冷刺激によって起こるもの
  • 日光などの刺激によって起こるもの
  • 汗や発汗に関連して起こるもの

刺激の種類や症状の現れ方を確認し、生活上の注意点や治療方法を検討します。

じんましんの原因は何ですか?

じんましんには、さまざまな要因が関係します。

  • 食物や食品添加物
  • 薬剤
  • 感染症
  • 発汗、運動、温度変化などの物理的刺激
  • 皮膚への摩擦や圧迫
  • ストレスや疲労などによる症状の悪化
  • 原因を特定できないもの
慢性じんましんでは、特定の食物やアレルゲンが原因ではないケースも多くあります。
原因を調べることも大切ですが、治療によりかゆみを適切にコントロールし、日常生活への影響を減らすことも重要です。

じんましんの治療について

じんましんの治療では、症状の程度や経過に応じて治療方法を選択します。

第1段階:抗ヒスタミン薬による治療

一般的に、眠気などの副作用に配慮した第2世代抗ヒスタミン薬を使用します。
ヒスタミンの働きを抑えることで、かゆみや膨疹を軽減することを目指します。
症状が十分に改善しない場合には、薬剤の変更や用量の調整などを検討します。

第2段階:追加治療の検討

抗ヒスタミン薬を適切に使用しても症状が十分に改善しない場合には、追加治療を検討します。
患者さんの症状や治療歴に応じて、次のような選択肢があります。

  • ゾレア(オマリズマブ)による注射治療
  • ラプシド(レミブルチニブ)による内服治療

どの治療が適しているかは、症状の強さ、これまでの治療効果などを総合的に判断して決定します。

  • これらの治療薬は過去の治療歴や症状に基づき適応が決まります。
  • 初診ですぐに導入することは難しい場合があります。詳しくは診察で医師とご相談下さい。

【ゾレア;オマリズマブ】について

慢性じんましんの注射治療「ゾレア」とは

~抗ヒスタミン薬だけでは症状が改善しない方へ

「毎日薬を飲んでいるのに、じんましんが出る」
「かゆみで夜中に目が覚める」
「薬を飲んでいても、突然症状が出るのが不安」

このようなお悩みに対して、ゾレアという注射薬による治療があります。
ゾレアは、一般名をオマリズマブといい、IgEという物質に作用する生物学的製剤です。

ゾレアとはどのような薬ですか?

  • ゾレアは、特発性の慢性じんましんに対して使用される注射薬です。
  • じんましんの発症には、マスト細胞から放出されるヒスタミンが関係しています。
  • ゾレアは、血液中のIgEに結合し、IgEがマスト細胞の表面に結合するのをブロックしてじんましの原因となるヒスタミンの放出を抑制します。

ゾレアによる治療の対象となる方

  • じんましんが6週間以上続いている
  • 抗ヒスタミン薬を6週間以上適切に使用しても症状が十分に改善しない

これらの方が治療の適応となります。
実際に使用できるかどうかは、診断、これまでの治療内容、症状の程度、年齢などを確認して判断します。
なお、ゾレアの効果が出にくい方もおられます。詳しくは診察でご相談ください。

ゾレアの投与方法

対象:成人および12歳以上の小児
投与方法:1回300mgを4週間ごとに皮下注射します。

治療効果について

  • ゾレアによって、かゆみや膨疹が軽減し、症状が出る頻度が減少することが期待できます。
    ただし、効果が現れるまでの期間や改善の程度には個人差があります。
  • 十分な効果が得られない場合には、治療の継続や変更について医師と相談します。

ゾレアの副作用と注意点

主な副作用として、注射部位の痛み、赤み、腫れなどが報告されています。
また、まれではありますが、アナフィラキシーなどの重篤な過敏反応が起こる可能性があります。

ゾレアの治療費について

ゾレアは、適応となる慢性じんましんに対して、健康保険を使用して治療できる薬剤です。
窓口での自己負担額は、年齢や保険の負担割合、薬剤の規格、診察料などによって異なります。

シリンジの場合
(150mgを2本
投与します)
ペンの場合
(300mgを1本
投与します)
70歳未満(3割負担) 12,493円 11,799円
70歳以上 現役並み所得者(3割負担)1), 2) 12,493円 11,799円
上記以外の方 70~74歳(2割負担) 8,329円 7,866円
75歳以上等3)の一定以上の所得者4)(2割負担)5) 8,329円 7,866円
75歳以上(1割負担) 4,164円 3,933円

薬剤費の目安

  • 1回の投与量:300mg(通常300mgペンを使用します)
  • 投与間隔:4週間ごと
  • 保険適用:あり(適応条件を満たす場合)
  • ゾレアは抗ヒスタミン薬も一緒に併用する治療のためこちらの薬剤費もかかります
  • ほかに診察料、注射に関する手技料などがかかります。
  • 費用については、診療報酬改定によりこちらと異なる場合がございます

ゾレアによる治療をご希望の方へ

抗ヒスタミン薬を飲んでいてもじんましんが繰り返す場合には、治療を見直すことで症状の改善を目指せる可能性があります。
現在の症状や治療歴を確認し、ゾレアが適しているかどうかを判断します。

~慢性じんましんでお困りの方は、お気軽にご相談ください~

【ラプシド:レミブルチ二ブ】

慢性じんましんの新しい内服治療薬「ラプシド」

~抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られない方へ

新しい治療選択肢として、2026.10月【ラプシド錠25mg】が登場しました。
ラプシドは、一般名をレミブルチニブといい、慢性じんましんの発症に関係する細胞内の信号伝達を抑える内服薬です。

従来の抗ヒスタミン薬ともゾレアとも異なる作用の仕組みを持ち、既存治療で十分な効果が得られない患者さんに対する新たな選択肢となります。

・ラプシドとはどのような薬ですか?

♢ラプシドは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬と呼ばれる種類の薬です。
2026年6月19日に日本で承認され、既存治療で効果不十分な特発性の慢性じんましんに対して使用されます。
注射薬ではなく、口から服用する錠剤です。

♢じんましんでは、皮膚に存在するマスト細胞や血液中の好塩基球などが活性化し、ヒスタミンを放出することで、かゆみや膨疹が生じます。
このマスト細胞の活性化には、細胞内で情報を伝えるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)という酵素が関係しています。

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ラプシドは、このBTKの働きを阻害することで、
マスト細胞や好塩基球からのヒスタミンなどの炎症性メディエーターの放出を抑える作用が期待できます。

ラプシドによる治療が検討される方

  • 慢性じんましんが6週間以上続いている方
  • 6週間以上抗ヒスタミン薬を適切に使用しても症状が十分に改善しない方
  • かゆみや膨疹が繰り返し現れ、日常生活に支障が出ている方
  • 医師から追加治療が必要と判断された方

実際に使用するかどうかは、症状の程度、治療内歴などを確認したうえで医師が判断します。

ラプシドの服用方法

  • 成人15歳以上:1回25mgを1日2回、経口投与します。
  • 抗ヒスタミン薬も併用し治療していきます

ラプシドの副作用と注意点

ラプシドの服用にあたっては、副作用に注意する必要があります。
国内の長期投与試験では、下痢、点状出血、紫斑、湿疹などが報告されています。
また、臨床試験では頭痛などの有害事象も認められています。
これらの症状がすべて薬によって起こるわけではありませんが、服用中に気になる症状が現れた場合には、医師または薬剤師にご相談ください。

ラプシドの治療費について

患者さんの自己負担額は、保険の負担割合、処方日数、診察料、調剤料などによって異なります。

負担割合 1日分 2週間分(14日) 4週間分(28日)
1割負担 186円 2,601円 5,202円
2割負担 372円 5,202円 10,405円
3割負担 557円 7,803円 15,607円
原価(10割) 1,858円 26,012円 52,024円
  • 薬剤名:ラプシド錠25mg
  • 通常の用法・用量:1回25mg、1日2回
  • こちらは薬剤費のみで調剤料、処方箋料、診察料は含みません
  • こちらの薬剤のほか抗ヒスタミン薬の併用も必要となります

最新の薬価と窓口負担額については診療報酬の改定で変わる事があります

ラプシドとゾレア、どちらがよいのでしょうか?

  • ラプシドは飲み薬であること、ゾレアは4週間ごとの皮下注射であることが大きな違いです。
    ただし、投与方法だけで治療の優劣が決まるわけではありません。
  • 血液中の総IgE、症状の程度、これまでの治療効果、副作用のリスク、併用薬、通院の負担など 総合的に考慮し、患者さんに合った治療を選択することが重要です。
  • 当院では、現在の症状や治療歴を確認し、それぞれの治療の特徴をご説明したうえで、 適切な治療方針を検討します。

~慢性じんましんでお困りの方へ

「薬を飲んでもかゆみが続く」
「毎日のようにじんましんが出る」
「今の治療で十分なのか相談したい」

このようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。
症状や治療歴を確認し、従来の治療の見直しや、ラプシド、ゾレアなどの追加治療が適しているかを検討します。

上記のほか【デュピクセント】にも慢性じんましんに保険適応があり、こちらも相談可能です。